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コリドラスとは?その特徴と魅力
コリドラスは、南米原産のナマズの仲間で、その丸みを帯びたかわいらしい姿が特徴的な小型淡水熱帯魚です。アマゾン川流域を中心に多くの種類が生息しており、そのバリエーション豊かな種類はアクアリストから高い人気を誇っています。
コリドラスの基本情報
分類:ナマズ目カリクティス科コリドラス属
分布:南米(アマゾン川水系など)
サイズ:成魚で最大6cm前後
寿命:平均5〜8年
性格:温和で平和的
コリドラスはその愛らしい外見だけでなく、水槽内で見せるユニークな行動も魅力の一つです。例えば、水槽の底砂を鼻先で「もふもふ」と掘り起こしたり、空気を吸うために水面まで急上昇したりする姿は、多くの人々を魅了しています。
コリドラスの種類:コレクション性の高さ

多種多様なコリドラス
コリドラスは現在、名前が付けられていないものまで含めると、200種類以上が存在すると言われています。種類が豊富で、それぞれに独特の模様や特徴があるため、コレクション性が高く、愛好家の中にはコリドラスだけを集めて飼育する人もいます。
鼻先の長さで分類
コリドラスは主に鼻先(吻:ふん)の長さでタイプ分けされます。
ショートノーズ:鼻先が短く、丸い顔つき。
セミロングノーズ:ショートノーズとロングノーズの中間。
ロングノーズ:鼻先が長く、シャープな印象。
さらに、『ピグミー』や『エレガンス』『イルミネータス』など、鼻先以外の特徴を持つ種類も存在します。
人気の高いコリドラスの種類
パンダコリドラス:白と黒のパンダ模様が特徴的。
ステルバイコリドラス:オレンジ色のヒレと黒地に白のスポットが美しい。
アエネウスコリドラス:初心者におすすめの飼育しやすい種類。
コリドラスの飼育方法:水温・水質と設備

適切な水温と水質
水温:20〜28℃が適温。年間を通して25℃前後に保つと良いでしょう。
水質:pH6.0〜7.0の弱酸性から中性の軟水を好みます。
高温には弱いため、夏場は冷却ファンや水槽用クーラーを使用し、冬場は水槽用ヒーターで温度管理を行いましょう。
水槽サイズとフィルター選び
水槽サイズ:少数のコリドラスのみであれば30cm〜45cm水槽で飼育可能。しかし、水質の安定を考えると60cm水槽がおすすめです。
フィルター:ろ過能力が高い上部式フィルターや外部式フィルターが適しています。特に、水草と一緒に飼育する場合はCO2を逃がしにくい外部式フィルターが良いでしょう。
底床材の選び方
コリドラスは底砂を鼻先で掘り起こしてエサを探す習性があります。そのため、粒の細かい底砂を選ぶことが重要です。
おすすめの底砂:ボトムサンド、田砂、大磯砂(細目)など。
避けるべき底砂:サンゴ砂(アルカリ性に傾ける)、ソイル(崩れやすい)。
底砂を敷かない選択肢
底砂を敷かない「ベアタンク」での飼育も可能です。その理由は:
ヒゲの保護:鋭角な底砂でヒゲが傷つくのを防ぐ。
汚れの蓄積を防ぐ:底砂がないことで掃除が容易になり、水質悪化を防げる。
飼育スタイルや水槽のイメージに合わせて、底砂の有無を検討しましょう。
コリドラスのエサと給餌方法

エサの種類
人工飼料:コリドラス専用の沈下性ペレットやタブレット。
生餌:冷凍赤虫やイトミミズなどをたまに与えると健康的に育ちます。
給餌のポイント
回数:1日1〜2回。
量:食べ残しが出ない程度。
方法:生餌はスポイトで底砂付近に撒くか、専用のエサ入れを使用。
コリドラスはお掃除生体として他の魚の食べ残しを食べることもありますが、栄養バランスのために専用のエサを必ず与えましょう。
コリドラスと他の生体との混泳

混泳に適した魚種
小型熱帯魚:ネオンテトラ、カラシン、グッピーなど。
日本の淡水魚:メダカ、アカヒレ。
コリドラスは温和な性格で、上層を泳ぐ魚たちとはお互い干渉しないため、混泳相性は良好です。
混泳に注意が必要な魚種
同種(ロングノーズ):縄張り意識が強いため、広めの飼育スペースが必要。
大型の底棲魚:プレコ、ローチなどは気性が荒い傾向があり、避けた方が無難。
肉食魚:混泳は厳禁。
相性の良い底棲魚
他のコリドラス(ロングノーズ以外)
オトシンクルス
コリドラスと水草:レイアウトのポイント

水草との相性
コリドラスは底砂を掘り返す習性があるため、根を張るタイプの水草との相性はあまり良くありません。また、底砂の掃除が重要なため、根張りする水草はメンテナンスの妨げになります。
おすすめの水草と配置
活着系水草:アヌビアスナナ、ミクロソリウム、ウィローモスなど。流木や岩に活着させて配置しましょう。
小型の鉢植え水草:根が底砂に直接触れないように工夫。
水流の工夫
コリドラスは適度な水流を好みます。水槽の下層に水流が行き渡るようにレイアウトを工夫しましょう。
方法:吐出口の水流を妨げないように、水草の配置に注意。
コリドラスの健康管理:病気と対策

かかりやすい病気
尾ぐされ病(カラムナリス感染症)
白点病
水カビ病
ポップアイ(エロモナス感染症)
病気の予防策
水質の維持:定期的な水換えと底砂の掃除を徹底。
適切な水温管理:急激な温度変化を避ける。
過密飼育の回避:ストレスを減らす。
薬浴について
ナマズ類であるコリドラスは薬剤に過敏なため、基本的に魚病薬の使用は避けます。どうしても薬浴が必要な場合は、通常の1/3〜1/2の濃度で行いますが、自己責任となります。
その他の健康トラブル
消化不良:食べ過ぎに注意。
ヒゲの損傷:底砂の粒が大きいとヒゲが傷つく可能性。細かい底砂を選ぶ。
まとめ
コリドラスは、そのかわいらしい外見とユニークな行動で、初心者からベテランまで多くのアクアリストに愛される熱帯魚です。種類が豊富でコレクション性も高く、自分だけのオリジナル水槽を作り上げる楽しみがあります。
適切な環境と愛情を持って接すれば、コリドラスはあなたの水槽で元気に泳ぎ回り、その存在が癒しと喜びをもたらしてくれることでしょう。