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こんにちはGreeen Mercado(グリーンメルカド)です。今回はエンゼルフィッシュを紹介します。
エンゼルフィッシュは、その優雅な姿と独特のフォルムから、熱帯魚の中でも特に人気の高い種類です。初心者から上級者まで楽しめるエンゼルフィッシュの飼育について、詳しく解説します。この記事では、エンゼルフィッシュの基本情報、種類、雌雄判別、繁殖方法、混泳のポイントなどを紹介します。
エンゼルフィッシュとは

学名:Pterophyllum scalare
エンゼルフィッシュは、南米アマゾン川流域に生息するスズキ目シクリッド科の淡水魚です。強く側扁した菱形の体に、長く伸びる背びれと尻びれが特徴で、まるで天使のような優雅な姿から「エンゼルフィッシュ」の名が付けられました。
魅力ポイント:
独特のフォルム:上下に伸びるヒレと扁平な体が特徴的。
豊富な種類:品種改良により多彩な色や模様が楽しめる。
飼育のしやすさ:適切な環境を整えれば初心者でも飼育可能。
エンゼルフィッシュは、1930年代に日本に輸入されて以来、多くのブリーダーにより改良品種が作出されてきました。その美しい姿は、多くのアクアリストから愛されています。
エンゼルフィッシュの種類と特徴
エンゼルフィッシュには、多くの種類があり、それぞれ異なる魅力があります。代表的な種類を詳しく紹介します。
並エンゼルフィッシュ
特徴:
体色:銀色の体に3本の黒い縦縞模様が入ります。
体形:原種に近いフォルムで、背びれと尻びれが長く伸び、優雅な姿が特徴的です。
サイズ:成長すると体長15cm、体高20cmほどになります。
魅力:
ポピュラーな存在:最も一般的で入手しやすい品種です。
飼育のしやすさ:環境適応力が高く、初心者にも飼育しやすいです。
シンプルな美しさ:飾らない美しさで、水槽内で他の生体やレイアウトを引き立てます。
並エンゼルフィッシュは、多くの改良品種のベースとなる存在です。そのシンプルな美しさと飼育のしやすさから、エンゼルフィッシュを初めて飼育する方におすすめです。穏やかな性格で、他の魚種との混泳も比較的容易です。
ゴールデンエンゼルフィッシュ
特徴:
体色:全身が金色や黄金色に輝きます。
光の反射:光の加減で体色の濃淡が変化し、美しい光沢を放ちます。
体形:並エンゼルと同様のフォルムです。
魅力:
華やかさ:水槽内でひときわ目立つ存在で、観賞価値が高いです。
高級感:ゴールドの体色が水槽全体に豪華な印象を与えます。
変化する美しさ:照明や角度によって体色が変わり、見る者を飽きさせません。
ゴールデンエンゼルフィッシュは、その華やかな体色から人気の高い品種です。特に水草水槽や暗めのレイアウトに加えると、その存在感が際立ちます。飼育難易度も高くなく、並エンゼルと同様に初心者にもおすすめです。
ブラックエンゼルフィッシュ
特徴:
体色:全身が漆黒の体色で、光沢のある黒色が特徴です。
ヒレ:長く伸びるヒレも黒く染まり、シルエットが美しいです。
存在感:暗い体色ながら、水槽内で強い存在感を放ちます。
魅力:
シックな雰囲気:黒一色の体色が水槽を引き締め、高級感を演出します。
コントラスト効果:明るい色の魚や水草とのコントラストが際立ちます。
アレンジ性:さまざまなレイアウトに合わせやすく、自分好みの水槽を作れます。
ブラックエンゼルフィッシュは、黒色の突然変異個体を固定化した品種です。その深みのある黒色は、他のどのエンゼルフィッシュとも異なる魅力があります。やや気難しい一面もありますが、適切な環境を整えれば美しい姿を楽しめます。
プラチナエンゼルフィッシュ
特徴:
体色:全身が白銀色や純白で、まるでプラチナのような輝きを持ちます。
透明感:ヒレや体表が半透明で、光を受けると神秘的に輝きます。
体形:エンゼルフィッシュ特有の優雅なフォルムです。
魅力:
清潔感:純白の体色が水槽に清涼感を与えます。
神秘性:光の角度によってさまざまな表情を見せます。
映える存在:水草やレイアウトとの相性が良く、水槽全体を明るくします。
プラチナエンゼルフィッシュは、その透明感のある美しさから多くのファンを持つ品種です。シンプルな色合いながら、独特の存在感があります。他の魚種との混泳でも、お互いの色彩を引き立て合うため、バランスの良い水槽が作れます。
ブルーエンゼルフィッシュ
特徴:
体色:青みがかった体色に黒い縦縞模様が入ります。
光沢:光の加減で青色が強調され、メタリックな光沢を放ちます。
希少性:市場での流通量が少なく、やや希少な品種です。
魅力:
独特の色彩:他のエンゼルフィッシュにはない青色が水槽を彩ります。
高い観賞価値:希少性も相まって、コレクション性が高いです。
水との調和:青色が水の色と調和し、透明感のある水槽を演出します。
ブルーエンゼルフィッシュは、その神秘的な青色の体色が魅力的な品種です。光の加減で表情が変わるため、見ていて飽きません。入手が少し難しい場合もありますが、その美しさから熱烈なファンも多いです。
レッドデビルエンゼルフィッシュ
特徴:
体色:尾ビレ以外の全身が鮮やかな赤色に染まります。
特徴的な模様:個体によっては黒いスポットや模様が入ることもあります。
活発な性格:他の品種と比べて活発な動きを見せます。
魅力:
鮮烈な赤:水槽内で異彩を放つ鮮やかな赤色が魅力です。
個性的な存在:ユニークな見た目で、視線を集めます。
レイアウトのアクセント:シンプルな水槽でも一気に華やかになります。
レッドデビルエンゼルフィッシュは、その名前の通り情熱的な赤色が特徴の品種です。インパクトのある外見で、水槽の主役として存在感を発揮します。飼育には広めの水槽が適しており、活発な泳ぎを楽しむことができます。
エンゼルフィッシュの飼育に必要な器具と環境

エンゼルフィッシュを健康に育てるためには、適切な環境と必要な器具を揃えることが重要です。
水槽のサイズ
最低でも45cm水槽以上を用意
エンゼルフィッシュは成長すると体長15cm、体高20cm近くになります。
複数飼育する場合は、60cm水槽以上が推奨。
水槽の高さも重要で、45cm以上が望ましい。
ポイント:
広い泳ぎ場を確保することで、ストレスを軽減し、健康的な成長を促します。
高さのある水槽は、エンゼルフィッシュの長いヒレを美しく保つのに適しています。
必要な器具
ろ過フィルター
外部式フィルター
メリット:水質の安定、水流の調整がしやすい。
デメリット:設置場所が必要、初期コストが高め。
上部式フィルター
メリット:メンテナンスが容易、ろ過能力が高い。
デメリット:水流が強くなりがち、エンゼルフィッシュは水流を嫌うため調整が必要。
水槽用ヒーター
用途:水温を24~28℃に保つために必須。
選び方:水槽の大きさに合ったワット数を選定。サーモスタット付きがおすすめ。
照明
用途:水草の育成や魚の色彩を美しく見せる。
点灯時間:8~10時間が目安。
注意点:長時間の点灯はコケの発生原因になるため、タイマーで管理すると便利。
エアレーション
用途:酸素供給と水流の調整。
注意点:エンゼルフィッシュは強い水流を嫌うため、水流が強くなりすぎないように工夫。
底床材
大磯砂
メリット:掃除がしやすく、長期間使用可能。
デメリット:水草の育成には不向きな場合がある。
ソイル
メリット:水草の育成に適している。
デメリット:フンの多いエンゼルフィッシュでは崩れやすく、メンテナンスが大変。
カルキ抜き剤
用途:水道水の塩素を中和。
餌
種類:肉食魚用の人工飼料、冷凍餌、生餌など。
飼育環境のポイント
水温・水質の管理
水温:22~32℃の範囲で飼育可能。ただし、25~28℃が最適。
水質:pH6.5~7.0の弱酸性から中性が理想的。軟水を好む。
水流を抑える
エンゼルフィッシュは水流を嫌うため、フィルターの吐出口やエアレーションの位置を調整。
レイアウト
ヒレを傷つけないよう、レイアウトはシンプルに。
おすすめの水草:アマゾンソード、バリスネリア、アヌビアス・ナナなど。
エンゼルフィッシュの餌と与え方のコツ

エンゼルフィッシュの食性
肉食性が強い雑食魚
自然下では、小魚や甲殻類、昆虫類などを捕食します。
おすすめの餌
人工飼料
フレークタイプやペレットタイプの熱帯魚用餌。
メリット:栄養バランスが良く、管理が容易。
冷凍餌
冷凍アカムシ、ブラインシュリンプなど。
メリット:嗜好性が高く、食いつきが良い。
生餌
生きたアカムシ、ブラインシュリンプなど。
注意点:病原菌の持ち込みに注意。
与え方のポイント
1日2回程度、5分以内で食べきれる量を与える
過剰な給餌は水質悪化の原因となるため、適量を守ります。
餌のバリエーションを持たせる
栄養バランスを取るため、複数の餌をローテーションで与えます。
食べ残しの処理
食べ残しはすぐに取り除き、水質悪化を防ぎます。
エンゼルフィッシュの繁殖方法と稚魚の育成

エンゼルフィッシュの繁殖は比較的容易で、適切な環境を整えれば成功率が高まります。
繁殖の準備
ペアの形成
自然にペアを形成
若魚を4~5匹以上一緒に飼育し、自然にペアができるのを待ちます。
ペアは常に寄り添って泳ぎ、他の魚を追い払う行動を示します。
繁殖用水槽の用意
サイズ:60cm水槽程度。
環境:落ち着いた環境を作るために、水草や隠れ家を用意。
水温:26~28℃に設定。
産卵と孵化
産卵床の設置
アマゾンソードなどの広葉系水草。
スレートや塩ビパイプなどを斜めに立てかける。
産卵の促進
水換えの実施:新鮮な水を加えることで産卵を促進。
水質の安定:pHや硬度を一定に保つ。
産卵から孵化まで
親魚が卵を世話:胸ビレで水流を送り、カビなどを防ぎます。
孵化までの期間:約2~3日。
稚魚の育成
初期飼育
餌の与え方:孵化後1週間程度はヨークサックから栄養を摂取するため、餌は不要。
自由遊泳開始後:ブラインシュリンプを1日2~3回与えます。
水質管理
小まめな水換えと掃除が必要。
稚魚は水質変化に敏感なため、ゆっくりとした水換えを心掛けます。
親魚との関係
親魚が稚魚を守る:微笑ましい光景が見られます。
注意点:場合によっては稚魚を食べてしまうこともあるため、状況に応じて隔離を検討。
エンゼルフィッシュの雌雄判別とペアリング

雌雄判別は難しいが、以下の方法で見分けることができます。
雌雄判別
生殖器の形状で判別
オス:尖った三角形の生殖器(先端がとがって細い)。
メス:筒状の四角形の生殖器(付け根から先まで太さが変わらない)。
確認方法:発情期に生殖器が突出するため、その時に観察。
体格やヒレの形状
オス:体が大きく、ヒレが長い傾向。
メス:体がやや小さく、丸みを帯びる。
ペアリングの方法
自然なペア形成
複数の個体を一緒に飼育し、自然にペアができるのを待つ。
求愛行動の観察
小刻みに震える動きや、骨を鳴らす音を出す。
ペアにならない原因と対策
原因:個体の成熟不足、相性が悪い、オスとメスが揃っていない。
対策:個体数を増やす、飼育環境を見直す。
エンゼルフィッシュと他の魚との混泳のポイント
エンゼルフィッシュは縄張り意識が強いため、混泳には注意が必要です。
混泳に適した魚種
コリドラス
底層を泳ぐため、干渉が少ない。
小型カラシン
ネオンテトラ、ラミーノーズテトラなど。
オトシンクルス
コケ取り役として有用で、温和な性格。
混泳を避ける魚種
フィンニッパー
セラフィニア、スマトラなど、エンゼルフィッシュのヒレをつつく魚。
小型魚やエビ類
エンゼルフィッシュが捕食する可能性が高い。
混泳のポイント
水槽サイズを十分に確保
スペースが狭いと縄張り争いが激化。
隠れ家を用意
レイアウトで視界を遮り、魚同士のストレスを軽減。
個体の性格を観察
攻撃的な個体は別水槽に移すなどの対応。
よくある質問(FAQ)
Q1. エンゼルフィッシュは初心者でも飼育できますか?
A1. はい、環境適応力が高く、適切な環境を整えれば初心者でも飼育可能です。
Q2. エンゼルフィッシュの寿命はどのくらいですか?
A2. 平均で5~6年ですが、良好な環境下では10年以上生きることもあります。
Q3. エンゼルフィッシュは単独飼育が良いですか?
A3. 縄張り意識が強いため、単独飼育も可能ですが、適切な環境であれば複数飼育も楽しめます。
Q4. エンゼルフィッシュの繁殖は難しいですか?
A4. 比較的容易です。適切な環境とペアを用意することで繁殖が可能です。
Q5. 他の魚と混泳させる際の注意点は?
A5. 相性の良い魚種を選び、スペースと隠れ家を確保することが大切です。
まとめ
エンゼルフィッシュは、その美しい姿と優雅な泳ぎから、多くのアクアリストに愛されています。適切な環境を整え、愛情を持って接することで、長く健康に育てることができます。繁殖や混泳にも挑戦し、より充実したアクアリウムライフを楽しんでください。